ACアダプターの安全な取り扱い 第4回「落とすべからず」
精密機器であるACアダプターを落としてしまうと、どうなるのでしょうか。ACアダプターの安全な取り扱い方をご紹介しております。第4回は「落とすべからず」というテーマでご紹介しております。
ACアダプター“べからず!”シリーズ第4回は、「落とすべからず!」
お客様から調査をご依頼いただく中で、お客様がご使用中に製品を落下させることが原因で故障に至ったと思われる事象があります。
弊社のACアダプターは、特にお客様からのご指定がない場合、製品落下に対する機械的強度は、IEC60950-4.2.6に準拠しております。
IEC60950-4.2.6に基づいた弊社での落下試験の概略は、以下の通りです。
- 高さ:卓上型機器(INLET)は75cm、ダイレクトプラグイン(PLUG)は100cm
- 床:3枚の合板を重ね合わせた厚さ51~53mmの板を床に固定した状態
- 合格条件:落下後に「ケースが開いていないこと」、「耐圧試験をクリアすること」、「出力が正常であること」、「基板パターンの剥がれ、亀裂などの無いこと」など
以前、落下により衝撃が原因と思われる不具合が、同じお客様向けの同じ製品で続けて発生したことがあります。改めてお客様にご使用環境を伺ったところ、弊社のACアダプターは学校で使われる機器用の電源としてご使用の都度セッティング(出し入れ)されているようでした。…これで、だいたい解りました。
最近の教室の床はだいたいがPタイル(塩化ビニル系床材)張りで、落下試験で使用される合板よりも硬質、そこへ子供達の手元から何度もスルリ…ということであれば、子供とはいえ高さも100cm以上となるでしょうし、規格の要求レベル以上の厳しい条件での落下の可能性が考えられました。
「落下試験規格以上の条件でご使用されているので、故障するのも仕方の無いことですよね…」と言ってしまっては身も蓋もない!!」ということで、故障の多かった箇所の強度を向上させる対策を施した結果、以降同様な問題の発生は激減しました。
落下試験規格に対する試験結果の合否は試験の時だけのダメージで判定されますが、実使用状態では落下試験規格以上の条件の条件や回数を上回るストレスが加わっている可能性もあります。従いまして、お客様におかれましては、弊社のACアダプターをご使用の前には、お客様のご使用環境で、電気的な項目も含めて事前にご評価いただかれることをお勧めしております。
まぁ、それにも増してACアダプターを落下させないよう、ご配慮いただくことが大切であることは言うまでもありません…
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