電子楽器・音響・映像装置向けACアダプターの事例
電子楽器、音響機器、映像装置向けのACアダプターのカスタム開発事例を紹介しております。当社はACアダプターのノイズ対策や安全規格対応等において、大手各社様を含む多くのお客様からの高評価を頂いております。
電子楽器に使用されるACアダプターについて
安全規格について
IECで定められている技術基準のIEC/EN60065にて、指定されている機器が該当する、という事が定められております。認証自体を取得した場合、リニアタイプの電源とスイッチングタイプの電源の両方が適用されます。
通信機器IEC/EC60950との安規申請差分点について
安規申請及び設計の際、通信機器の基準と大半な部分は、共通でできますが、参考例として、差分点を以下に挙げさせて頂きます。
①LPS要求
- (通信60950):評価測定が必須
- (音響60065):測定は不要
②X電解コンデンサ
- (通信60950):断電1秒後、残留電圧<37%が必要
- (音響60065):断電2秒後、残留電圧Peak 35V or 60V dc(60V dcで判断基準とする)
③温帯環境
- 漏れ電流:(通信60950)0.25mA;(音響60065)0.5mAの要求。
④熱帯環境 操作温度
- (通信60950)35℃(部品仕様10Kを引く)(音響60065)45℃(部品仕様10Kを引く)
⑤油試験(Softening Test)について
この試験は、音響規格(UL)のみで要求されています。
試験参考方法:
指定部位を油に投入、油の温度100℃からスタートし、毎一時間で50度の温度を上げていき、175℃迄の検証試験となります。
* 要求基準の参考抽出内容は以下となります。 |
このテストには、4つの異なる方法が使用される場合があります。
Testing Methods
Method | Load (N) | Heating Rate (°C/hr) |
---|---|---|
A50 | 10 | 50 |
B50 | 50 | 50 |
A120 | 10 | 120 |
B120 | 50 | 120 |
試験結果、ケースの構造要求:
ケース材は凹みの厚みは<0.1mmとの事です。
*現在、技術規格「EN6005」は廃止となっておりますので、本ページの情報は過去の実績としてご参考いただければ幸いです。(2020年12月1日更新)
製品導入・開発事例について
- * 弊社製品をお取り扱いの、一部のお客様の参考例を上げます。
大手メーカーS社から依頼を受けたラジオ製品用ACアダプターの開発プロジェクトでは、初期の試作品が安全規格の申請試験で不合格となるという課題に直面しました。この問題は、製品ケースの樹脂素材として使用されていたポリカーボネート(PC)材が原因であることが判明しました。不合格となった主な理由は、油試験での失敗でした。
この課題に対して、当社はお客様と緊密に協力し、原因を徹底的に分析。結果、金属ACピンを接続している樹脂部分のみを変更し、周囲のPC樹脂をそのまま利用することで、試験をクリアする解決策を見出し、無事試験を合格することができました。この経験から、異なる種類の樹脂材料を組み合わせることの重要性を再認識しました。
また、このプロジェクトを通じて、同一材質の樹脂を使用した場合の熱影響に関する貴重な知見を得ることができました。また、特定の異なる材質の樹脂を適切に組み合わせることで、熱による物理的変形を効果的に防ぐことが可能であるということが分かり、以後の同様な問題が発生した際には、的確かつスムーズに対処ができております。
当社の豊富な経験と技術力は、このような開発プロジェクトを通じて培われてきました。お客様のニーズに合わせたカスタム開発はもちろん、安全規格への準拠という点においても、当社は高い専門性を有しております。ご相談やご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。お客様からの信頼を基に、更なる価値提供に努めてまいります。
電子楽器とは
電子回路によって低周波の波形信号を作り出す楽器の事です。使われる環境は、一般的なご家庭から、学校等の教育現場、プロのミュージシャン等、様々な場所にて使用されています。
電子回路により、音の3要素である音程・音量・音色を制御することができます。音色を得る方式としては、周期パルス列をフィルタリングすることで、音色を得る減算方式と、オルガンのように、正弦波により倍音を合成する加算方式、FM音源などに代表される変調方式、録音した波形などをメモリに蓄えておき、音程ごとに再生するPCM方式など、幾つかの方式がございます。以前は音源として、専用のカスタムICを使用した、ハードウェア・シンセサイザーが主流でしたが、近年ではソフトウェア・シンセサイザーが増えつつあります。
発祥及び歴史は一説によると、1748年のプロコプ・ディヴィシュによる電磁石を使用したDenis D'Orの発明を端緒として、その後電子技術の発展に伴い、電子オルガン、エレキギター、アナログシンセサイザー、デジタルシンセサイザー等が開発されるに至っており、現在電子楽器は、舞台やご家庭・学校等の教育現場・駅などの公共な場所などといった、様々な場所・シーンで見かける程活躍している時代です。
電子楽器の幅広いジャンル、様々な分野で開発されております。
- 電子オルガン
- エレクトーン
- 電子ビアノ
- ドラムマシン
- キーボード
- アンプ
- ギダーシンセサイザー
- EWI
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