ACアダプターの仕組みとは?
ACアダプターの仕組みについて、わかりやすく解説をしております。回路の説明から始まり、各部品の名称も図解で解説しておりますので、ぜひご参考いただければと思います。
多くの電子機器は、DC(直流)で動作します。一方で商用電流はAC(交流)ですから、ACをDCに変換してあげなければ、機器は動きません。その大変な仕事をしているのが、ACアダプターというわけですね。
「AC/DCアダプタ」と呼ばれる場合があるのは、このためです。
昨今では電子機器の小型化、省電力化、及び設計の簡素化の為に電源部分を内蔵させずに、ACアダプターを使用する製品が益々増えております。
ACアダプターの内部を公開いたします。
上記の写真を回路図にすると以下のようになります。
それぞれの部品の役割を以下に順を追って、ご説明、ご紹介いたします。
- 皆さんもお使いのコンセントからACコード等を通じて電気がACアダプターに供給されます。
- 電流がヒューズを通過します。
※ポイント:過電流による事故及び機器の破壊を避ける為に、通過の際に過電流が流れるとヒューズが溶断してアダプターの動作が停止します。 - ラインフィルターを通しノイズを低減します。
- ダイオードの一方向にしか電流を流さない働きを利用して、コンセントから供給される交流電流の正(プラス)と負(マイナス)の両波とも整流して、流れの向きを以下の図の様に同じにします。(全波整流と言います)
- 電解コンデンサの電気を貯める働きを利用して、電圧の高い時には充電し、低い時には放電し、電圧を平滑(変動を小さく)します。
- 平滑化されて直流にした後、トランジスタをON/OFF(スイッチング)し、高周波のパルス(矩形波)にします。ONとOFFの時間を調整することで、出力電圧を調整します。入力電圧が変動する場合でも、パルス幅を調整することで安定な出力電圧を保つことができます。また、高周波にすることで、トランスも小型。軽量化が出来ます。 (かつて主流であったトランス式のACアダプターはスイッチング方式に比べると非常に大きく重かったですね。)
- トランスで最適な電圧に変換します。
- 電解コンデンサによりパルス波(矩形波)を平滑します。これを何度か繰り返すことで、きれいな直流にしていきます。
- コイルを通り、スイッチングノイズを低減します。
- 出力電圧・電流を監視してトランジスタに伝え、最適なパルス幅に調整します。
※ポイント:この際に異常な電圧・電流を検知すると、動作が停止する保護機能の役割も担っています。
上記の説明のように、それぞれの部品がそれぞれの役割を担ってACアダプターを構成しております。
例として説明した基本的な構造のACアダプター以外にも、弊社ではお客様よりの個別のご要求に応じて、部品或いは機能の追加を承っておりますので、お気軽にご連絡をお願い申し上げます。
関連記事:基本的な解説はACアダプターとは?をご覧ください。
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