ACアダプターからジー音・ブー音がする原因|専門家による解決が必要な理由

実は、スイッチング電源方式を採用した多くのACアダプターは構造上、ある程度のノイズを発生しがちです。単純に「別の負荷をかける」「配線を変える」などの小手先の対策では解決が難しく、設計段階から原因を追究することが不可欠です。本記事では、ACアダプタのジー音・ブー音の主なメカニズムと、それらを本質的に解消するために必要なアプローチをご紹介します。

ACアダプターからジー音・ブー音がする原因と対処法|安全性は大丈夫?

【序章】ACアダプターからの音にお悩みではありませんか?

ノートPCやスマホの充電器など、ACアダプターから「ジー」という高い音や「ブー」という低い音が聞こえることはありませんか? これはACアダプターのモスキート音とも呼ばれており、
気になって眠れなかったり、「この異音は故障のサイン?」と不安を覚える方も多いようです。

本記事では、ACアダプターから聞こえる異音(ノイズ)の主な原因や、安全性・対策方法を解説します。なお、ACアダプタの内部構造や仕組みなどの基礎情報については、別途まとめたACアダプターとは?」をご参照ください。こちらでは、音に関するポイントを中心にご紹介していきます。

【1.なぜACアダプターがジー/ブー音を出すのか】

1-1.コイル鳴き(Coil Whine)

ACアダプターの多くはスイッチング電源方式を採用しています。これは内部で高周波の電気信号を用いて効率よく変換を行う仕組みです。その原理上、コイルやトランスに強い磁界変化が生じるため、微細な振動が起きて「ジー」という音として耳に届くことがあります。これを一般に「コイル鳴き」と呼びます。

1-2. 回路設計や部品選定による振動要因

同じスイッチング方式を用いていても、コイル・コンデンサ・基板レイアウトなどの設計や部品選定によって、ノイズの発生メカニズムや大きさは大きく変わります。製品品質やコスト要件、サイズ制約に応じた最適化が十分でないと、エンドユーザーの耳につくノイズを引き起こしやすくなります。

1-3. 機器側からのノイズ&複合要因

負荷電流や動作モードの変化はもちろん、相手側機器から逆流してくる高周波ノイズや、配線・アース環境との干渉など、要因が複数絡むケースも多々あります。これらが複合的に影響し合うため、どこが本質的な原因かを切り分けるには、実機検証や回路シミュレーションを含めた専門的アプローチが欠かせません。

【2.ジー/ブー音は危険?安全性と信頼性への影響は?】

2-1.音がするだけで即危険とは限らない

スイッチング電源が正常に動作する過程で発生する小さなコイル鳴きや特定負荷時の唸り音、モスキート音は、必ずしも故障のサインとはいえません。一定の規格や品質要件を満たしている場合、ほとんどの場合製品寿命にも影響しないレベルの振動です。

2-2.大きなノイズはユーザーの不安要素に

一方、ノイズが大きい、周波数が変動して耳障りに感じるなどの場合、エンドユーザーの製品クレームにつながるリスクが高まります。これを解決するためには、以下の方法がございます。

3. “簡易対策”では解決が難しい理由】

3-1.構造上のノイズ発生を根本除去するのは困難

スイッチング方式のACアダプターは、高効率・小型化のメリットがある反面、内部の高速スイッチングがどうしてもノイズ源となります。配線を変えたり、負荷を変えてみるなどの“場当たり的”な方法では、根源的な振動を抑制しきることはできません。

3-2. 部品定数の見直しやレイアウト最適化が不可欠

コイルやコンデンサ、回路基板のレイアウト設計、実装方法を含めて見直しを行わない限り、ノイズ軽減にも限界があります。特に複数の要因が絡み合う場合、綿密なシミュレーションや実測を経て、部品の定数・パラメータを再設定する必要があります。

3-3. 相手側機器とのセット検証が必須

ACアダプター単体の問題だけでなく、使用先機器との組み合わせで発生するノイズも無視できません。複数のチップや機能を搭載した通信機器の場合、異なる周波数帯が干渉して想定外のノイズを誘発することも。したがって、実機セットでの評価なしに完全な解決策を導くのは困難です。

【まとめ】【ノイズ問題こそユニファイブにご相談を】

「ACアダプタから出る音に困っている」「製品クレームを減らしたい」という課題があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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